失敗しないデータ入稿 その2
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
万能なPDF
印刷所の入稿形式として最も奨励されているファイル形式はPDF(Portable Document Format)です。illustratorなどのグラフィックソフトからはもちろん、wordやexcelなどのoffice系のソフトからでも「書き出し」及び「別名保存」で誰でも簡単に印刷データを作成できます。学会誌や報告書の制作時など、原稿制作者がグラフィックソフトを扱っていない場合でも迅速に正しい印刷データが作成できるので、非常に便利なファイル形式です。
印刷のためのデータという目的だけではなく、その名の通り「持ち出して運ぶ」ことにも優れており、容量が小さくハイバーリンク機能やテキスト選択機能も搭載しているのでビジネスの現場の主役になっています。
wordがPDF書き出しの機能を搭載したのはword2007からです。一昔前まで印刷用の入稿データ制作というと難しいイメージがありましたが、今ではwordで冊子印刷用のデータを作り、それをPDF化して関係者にメール等で送付、おのおのパソコンやスマートフォンなどで閲覧し、そのまま印刷所に入稿できる、非常に便利な時代になりました。
PDFの歴史
PDFの歴史は浅く、初めてリリースされたのは1993年頃です。しかし最初は日本語が扱えなかったり、PDF閲覧ソフト(Adobe Acrobat)が有料だったり、データが重かったりと、今のように簡単に使える状態ではありませんでした。
PDFはもともと、図形を印刷するための記述言語PostScript(ポストスクリプト)をベースとして開発されました。PostScriptは図形を表現するための言語で、開発された当初は丸も視覚もすべて英数字で表現されており、図形を確認するにはいちいちプリントしなくてはいけませんでした。
そこで登場したのがillustratorというソフトで、PostScriptファイルを図形としてモニタ上で表示し、編集することが出来ます。
PostScriptは不透明なポスターカラーを塗っていくように面や線を描く能力しかありません。それ故に昔はレイアウトソフトの機能も限られており、昔のポスターやチラシを見ると、結構単純な色面構成で作られていることに気づくでしょう。DTPの世界で透明なオプジェクトやドロップシャドウ、ふわっと光るような表現が多様されはじめたのはここ数年のことです。
illustratorというソフトは年々進化を遂げ、ドロップシャドウや不透明度の調整など、複雑な表現ができるようになりましたが、PostScriptは透明という概念を表現できません。そこで登場したのが透明やレイヤー、ページなど、様々な概念を表現できるPDFという新しい形式です。
しかし印刷機の方はPostScriptにしか対応していなかったので、印刷をする際に透明のオブジェクトを画像化してPostScriptファイルに変換する作業がありました。あまりに多様な処理を施したデータだとエラーを起こして正しいグラフィックが印刷できないことも多々あり、派手で複雑なグラフィックはオペレータ泣かせでした。
しかし2007年からPDFを理解する処理ソフトが開発され、印刷機にも実装され始めたので徐々にその苦労は無くなっていっています。まだまだPostScriptファイルは現役ですが、これから一気にPDFの時代になるでしょう。
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